流浪歌

都落ちする 背中の寒さ
誰にわかって ほしくはないが
優しき友よ 別れ際(め)に
せめてうたおか 流浪歌(たびうた)を

独り夜汽車に 憂いを托(あず)け
呷(あお)る旅酒 何故こう薄い
祭りのあとの 侘しさに
ひとりうたおか 流浪歌を

星の流れに 我が行く末を
重ね合わせる 他国の夜更け
瞼とじれば 故郷が見える
風にうたおか 流浪歌を
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