距離

ほんのちょっとの距離のせいで
ふたりはすれ違っていいんだよ
いいんだよ それでいいんだよ
きっといいんだよ

君と買ったコートを今も着てるよってさ
その店随分前に潰れてるけど
まだ言えていないんだよな

髪を切った写真が送られてきてもさ
柔らかさも地肌のあたたかさも
もう覚えていないんだよな

笑ってる君 その背景
知らない街 知らない友だち
もしわたしが 泣いてても
言わなければ君は気付かない

ほんのちょっとの距離のせいで
ふたりはすれ違って
疑うことさえ怖くて
それでも想い合っていいんだよ
いいんだよ それでいいんだよ
きっといいんだよ

わたしがもっと子どもで
君が若かったら
今すぐ会いに行ってる
曖昧な未来 確かめたくて今日も働く

電話の向こうの音で居場所を知るとか
君に恋する友達はいないかとか
全部通り越して
ふたりはふたり ひとりでもふたり
会えないだけで君の理由を なくしたりしない

ほんのちょっとの距離のせいで
ほんのちょっとの距離のせいで
ふたりはすれ違って
見えないから全部知らなくて
それでも想い合っていいんだよ
いいんだよ それでいいんだよ
きっといいんだよ
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