獨り酒

酒が心に沁みるのは
乾いた心の 隙間から
淋しいねぇ 淋しいよぉ
ため息まじりの 夜泣き鳥
愚痴と涙が 酒になる

頑張る奴は頑張って
泣きたい奴は 泣けばいい
間口二間の 居酒屋は
七人並びの カウンター
愚痴と涙の 吊るし柿

ああだこうだと日々があり
かなわぬ夢は 千もある
生まれ来たのも 独りなら
死んでゆくのも また独り
愚痴も涙の 獨(ひと)り酒

何が寒かろう 獨(ひと)り酒
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