夏つばき

彩(いろ)めく夏の 訪れを
教えてくれる 一夜花(いちやばな)

やさしさだけを 置き去りに
白い花びら 夏つばき
ぽとりと 落ちました

こらえきれずに 私は泣いた
獣みたいに 泣きました

こころの全てを 投げだした
いのちを燃やす 恋でした

消えない傷を 知りながら
微笑みくれた ひとでした

かすかに残る ぬくもりは
私ひとりの 胸の中
誰にも 渡さない

心ちぎって 私は泣いた
獣みたいに 泣きました

あんなにきれいな 夏つばき
どうしてひとり 散り急ぐ

こらえきれずに 私は泣いた
獣みたいに 泣きました

こころの全てを 投げだした
いのちを燃やす 恋でした
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