長瀞舟下り

川の流れの 激しさに
告げる想いも 揺れ惑う
過ぎたあの日の 気まぐれで
絆なくした ふたりでも
古い傷跡 胸に秘め
ああ ひとり長瀞 舟下り

燃ゆる紅葉を 浴びながら
何にすがって 生きるのか
愛におぼれて 流されて
今は苦労の 渡し舟
忘れられない 面影を
ああ 追ってつれない 岩畳

遠く陽炎 ゆらすのは
夢かさだめか まぼろしか
ふたり渡れぬ 舟ならば
いっそひとりの はぐれ旅
風がこの身に 沁みるけど
ああ ひとり長瀞 舟下り
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