毒針

青い光が覗いて世界が目を醒ましてく
小さなこの場所でぬるま湯に浸かって
一人の景色を見る

ミルクの香るバスタブ 本当は嫌なくせに
何でも合わせてくれる君に溺れ
気づけば離れてた

嫌いだとか口先だけだった
白く濁ったお湯に溶かして忘れてた
嫌な奴だ

これまでの事どれも眩しく汚れた私に牙を剥く
まだ、上書きできないよ 静かに残ってる

少し高めの平熱 温かい君の体温
忘れないように蛇口をひねった
なんだか冷たかった

今となってはどうでもいい事
白く濁ったお湯に溶かして忘れてた
酷い奴だ

これまでの事ちゃんとしてたら
こんな最後じゃなかったかな
まだ、上書きできないよ 静かに残ってる

ごめんねってさ そんなに言わないで
くだらない事 話しては笑い合って
好きだった

ねぇ、もしも巻き戻せたら
そんな事ばかり考えて
弱い奴だ

これまでの事どれも眩しく汚れた私に牙を剥く
まだ、上書きできないよ 君の匂い 君の物
どこにも見渡す限りに幸せの跡が残ってる
もう、上書きできないよ さよならが静かに残ってる
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