桜の樹の下で

「じゃあまたね」って手を振った
春に染まった君の姿
笑う目には 堪えてた涙ひとひら
叶う宛てなんてないと
気付いてたって それでもいい
散らない約束をしよう
はら、はらり 桜の樹の下で

青に白が混ざった マーブルの春空は
何年か前 初めて知り合った時のと同じだった
どこまでも曖昧な コントラストはなんだか
不安と希望の間で揺らいだ 今のキモチみたいだ

Y字路の前 伸ばした
足取り重く 影法師
風が僕等を そっと追い越した

変わりゆく 人も街も
いつかはきっと 僕等もそう
でも変わらない何かが在ると 信じたくて
会えるかな? 会えるよな?
今日と同じ君と、僕で
散らない約束をしよう
はら、はらり 桜の樹の下で

両手に持つカバンに 詰め込んだ思い出を広げたら
どのページにも決まって 同じメンツの笑顔

”永遠” なんてわからない
でもいつか振り返った時
そばに居たこと 思い出すんだろう

青春の階段も もう終盤
グラウンドは閑散としてる
どんなにヤダって駄々コネても
カウントダウンは止まらない
3、2、1 ドアの向こうは 新しい道
今日の旅立ち 焼き付けて大人に

八分咲きの桜 見上げ並んだ
一人じゃきっと辿り着けなかった
感情が宙を舞う
出会ってくれてありがとう

「じゃあまたね」って手を振れば
また会えるって気がしたのさ
大袈裟だなんて笑わないでおくれ、春よ
叶う宛てなんてないと
気付いてたって それでもいい
散らない約束をしよう
はら、はらり 桜の樹の下で

ほら桜が舞った
どうか変わらぬままで
ほら桜が舞った
いつか、この樹の下で
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