磯千鳥

むせぶ小島の 遠灯り
呼べど帰らぬ 父母(ちちはは)恋し
ねえさん…
追われるように 故郷(こきょう)を捨てた
寄る辺なきこの身の 行く末を
知るや片瀬の 磯千鳥

夢も仮寝の 捨て小舟(おぶね)
肩を寄せ合い 寒さをしのぐ
ねえさん…
くじけちゃ駄目と 心に沁みる
花ひとつ咲かずに 行く青春(はる)を
泣いてくれるか 磯千鳥

これが二人の 宿命(さだめ)なら
越えて行こうよ 浮世の波を
ねえさん…
幸せあげる 命を賭けて
胸焦がす涙の 夕焼けに
濡れて飛び立つ 磯千鳥
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