流星

今日星が流れてゆくのを初めて目にしたよ
一瞬空にひっ掻いた傷がついたみたいだった

膨れあがった願いも叶ってしまえば
吐いたばかりの煙に部屋は冷えていった

戸惑う息を見破らないでよ
ずっと近くにいたから

兼ねてからの切望で貴方を手に入れたんだけれど
僕がほんとうに欲しかった光は君じゃなくて
君の心に流る傷

受話器の向こうの顔が思いだせない
生易しい約束を飲みこめないまま

騒めく声を押し殺せないよ
もっと遠くに沈めても

兼ねてからの切望で貴方を手に入れたんだけれど
僕がほんとうに欲しかった光は君じゃなくて

生まれた侭の絶望が貴方を輝かせるよ
僕がほんとうに欲しかった光に掻き立てられて

なんでそんなにも幸せそうに笑えるの
君の心に流る傷

僕に見せてよ 星の在りかを
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