決壊SALVATION

小さな少年がいた
差し出された手を振り払い
人立ちを抜けて一人
意地で塗り込めた壁の内で
蹲ってただ息衝く日々だ

少年の肩を叩く
振り返ったのは
紛れもなく僕だった 僕だった

少年と僕 僕と少年
どうしようもなく叫んだ
吊るされた糸たどって
寂寞の牢獄の外へ
少年と僕
どちらからともなく叫んだ
今すぐに連れ出してよ
蝕まれてく身と心
救いをずっと待ってたんだ

少年と僕
声にならない声で叫んだ
自らが創り上げた
がんじがらめの孤独が
僕たちを殺してしまったと
ずっとずっと気づいていたんだ
二人の声が重なった

小さな少年がいた 足元をみれば
覚えのない枷 知らぬ間に邪魔をする
自らを守る為だった壁は今
押しつぶされそうなほどに迫る

少年は 俯いたまま
震えている その背中は
僕だった 僕だった

少年と僕 僕と少年
どうしようもなく叫んだ
無味無臭で色の無い
音も聞こえぬ世界の中で
少年と僕
どちらからともなく叫んだ
信じられるものなどない
それでも僕ら都合よく救いを
ずっと待ってたんだ

少年と僕 僕と少年
どうしようもなく叫んだ
無味無臭で色の無い
音も聞こえぬ世界の中で
少年と僕
どちらからともなく叫んだ
信じられるものなどない
それでも僕ら都合よく救いを
ずっと待ってたんだ

少年と僕
声にならない声で叫んだ
気づかないふりして
生き抜く術はすべからく
僕たちを沈めてしまったと
ずっとずっと溺れていたんだ
二人の息が重なった

小さな少年は知った
時間は無力だと
出口もない籠に
自ら閉じ込めた
賽の河原でずっと
積み上げてきたもの
全て壊してきた
最後に壊すのは僕だ

少年と僕 僕と少年
どうしようもなく叫んだ

少年と僕 僕と少年
どうしようもなく叫んだ
吊るされた糸たどって
寂寞の牢獄の外へ
少年と僕
どちらからともなく叫んだ
今すぐに連れ出してよ
蝕まれてく身と心
救いをずっと待ってたんだ

少年と僕
声にならない声で叫んだ
自らが創り上げた
がんじがらめの孤独が
僕たちを殺してしまったと
ずっとずっと気づいていたんだ
二人の声が重なった
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