さよならの到着便

遠く粉雪が
降りる駐車場
僕が指差すと
君は笑って
モノレールを選んだ

君が東京へ
戻ったその訳
僕はおもわず
君の指を見て
気付いてしまったけど

さよならを一度
君に言わせた僕に
今君を慰める
そんな資格はなかった
時はなぜ
過ぎてしまったの?

冬の桟橋は
灯り消えたクリスマスツリー
工場の煙
螺旋の倉庫
淀む運河を見て

ふっと懐かしい
ため息が出るなら
忘れたはずの
言葉は今も
悲しい膳物

貨物船ばかり
浮かべた港だって
君となら
いつまでもロマンティックな夜だった
時はなぜ
過ぎてしまったの

僕は今
君と同じスピードだして
離れずに走るから
止まって見えるモノレール
君はまだ
気付いてくれない
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