ただお前がいい

ただお前がいい
わずらわしさに なげた小石の
放物線の軌跡の上で
通り過ぎてきた 青春のかけらが飛び跳ねて見えた
そのてり返しを そのほほに写していたおまえ
また会う約束などすることもなく
それじゃまたな と別れるときの
お前がいい

ただお前がいい
おとすものなど なんにもないのに
伝言板の左の端に
今日もまた一つ 忘れ物をしたと誰にともなく書く
そのくり返しを その帰り道に笑うお前
また会う約束などすることもなく
それじゃまたな と別れるときの
お前がいい

そのてり返しを そのほほに写していたお前
また会う約束などすることもなく
それじゃまたな と別れるときの
お前がいい
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