薄霞

気まぐれな 篝火が
ゆらゆらと揺れて
足跡を 手がかりに
やがて見つけた

素直になんて 言える筈もない
いつも通り 直ぐそばで

お前の瞳は 私を惑わせるだろう
二人の間を 夜風が吹き抜ける

流れゆく 雨脚は
ふらふらと彷徨う
頼まれて くれないか
ひとつ言伝

待ち焦がれて 迎えにゆこうか
部屋の鍵は 掛けぬまま

お前の姿を 私は追いかけるだろう
霞が隠した 目印を辿っていく

泣き言なら 後ろに置いてきた
分かっているさ 誰よりも

お前を信じてる 帰りが遅くなるなら
見失わぬように 明かりは消さずにいよう
お前の瞳は 私を惑わせるだろう
二人の間を 夜風が吹き抜ける
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