ヒロイン

雨上がりの駐車場
裸足で踊る子供の君を見てると
平凡すぎる自分を
また責めてしまうよ
さっきまで泣いていた
理由も言わずにはしゃいでいる少女
今そばにいるのは
僕じゃなくてもいいくせに

流されてく人の群れの中
踊り疲れては
何度もキスをした
恋人のように

誰かのものでも
かまわないと思った
愛されなくても
愛したいと思った 思った…

真夜中のスポットライト
ヒロインは眩く照らされて僕は
勇気づけられる
でも不意にうつむくのはなぜ?
人の悲しみは
きっと誰にも計れやしないけど
満たされてない君が
僕を不幸福にする

濡れたままのアスファルトに
こぼれては砕け散る
宝石の雨 もう君は降らさないで

誰かのものでも
かまわないと思った
愛されなくても
愛したいと思った 思った…

ヒロインのその淋しさを
僕に癒せないことが
あどけなさに触れるたびに
歯がゆいだけ
抱きしめても抱き合えても
つかめないものがあるなんて

誰かのものでも
かまわないと思った
愛されなくても
愛したいと思った
何も求めずに誰かを愛せるほど
僕は強くもないし大人にもなれない
本当はずっと言い出せずにいたんだ
君に愛されたい
君に愛されたい…
誰かのものでも…
愛されなくても…
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