それなりに青い鳥

爪を噛む 女にだけ
聴こえる あの歌は
裏切りの哀しみか
男の呼びかけか
ひゅる ひゅると鳴るのは
真冬のあらしでも
泣いたら駄目 死んだら駄目
それなりに青い鳥

膝かけの 上で読む
破れた手紙には
いいころの想い出や
未練の数々が
哀しげな演歌(はやりうた)
遠くで 聴こえても
泣いたら駄目 死んだら駄目
それなりに青い鳥

窓ごしの漁火は
はかなく搖れてても
泣いたら駄目 死んだら駄目
それなりに青い鳥
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