ホームラン!

ゆき場ない悲しみをボールに込めて
(ホームランしてやる) ホームランしてやる

流れゆくあの雲に憧れたって
すり抜けて叶わないこともあるって

つき刺さった夏の氷、騒ぎ立てるつばめたち
飛び上がった白球は青空に消えていった

渇いた砂をかき集め 限りなく数えている
誰もこの夢を見れない 誰の夢にも届かない
それでも、それなのに、この星は回っている

走り出した後ろには砕けちった梅の実と
襟足を触る風 踊り出す 水飛沫
つき破った薄い氷 太陽がまばゆいんだ
光のような白球は青空に吸い込まれていった

ホームランしてやる…
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