しぐれ舟

思い切る瀬を 夜雨がたたく
そうよ今夜も 雨降りやまず
恋の名残りを 惜しむよに
胸に 胸に もどり雨
濡れて流れる 流れる舟は
おんな哀しい しぐれ舟

雨がさえぎる 叶わぬ恋よ
たどり着けない あなたの岸辺
川は水かさ 増すばかり
なんで なんで じゃまをする
揺れて漂う 漂う舟は
なさけ流離(さすら)う しぐれ舟

みれん思い出 涙を乗せて
明日(あす)は何処(いずこ)か 流れるままに
あなた優しさ くれた街
遠く 遠く なるばかり
夢に零(こぼ)れた 零れた舟は
おんなひとりの しぐれ舟
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