最後の涙

砂には咲かない
恋のバラの花よ
信じて育てた
止めるのもきかずに
流れる砂に足をとられて
それでもなお風と雨を
あてにしていた
飢いた気持に夕陽が今沈む
最後の涙を砂にうずめながら

ふたりで遊んだ
白い砂の上に
くちづけのあとも
残さない悲しみ
何も語らず黙る砂には
ただ自然のされるままに
そこにあるだけ
砂には咲かない
恋のバラの花に
最後の涙で
せめて見送りましょ
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