涙ひとりきり

夜明けが近い窓が 一枚の絵になる
寝息を立てる君の 横顔を見ていた

二人で決めた部屋は
マッチ箱みたいで
明かりを灯しながら
静かに暮らしてた

待たせた春の風の道
花は咲かずに散りかけて
抱きしめていたはずなのに
いつ腕をほどいた あゝ

洗ってくれたシャツの
ぬくもりが哀しい
そう 涙ひとりきり

駅から帰るバスの 坂道の雨音
ベンチで君はいつも 待っていてくれたね

ひとつの傘に二人
思い出は切ない
凍えた指の先に
心が震えてた

この街 君は離れたと
聞いたあの日の冬の空
繕いきれぬさみしさに
また愛は壊れた あゝ

わかったはずの気持ち
悔やんでるいまでも
そう 涙ひとりきり
そう 涙ひとりきり
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