伊豆の夕月

北に流れる 狩野川を
ゆけば浴衣の 裾が舞う
恋しい逢いたい あの人だから
思いだすたび 涙がポロリ
小梢隠れに 伊豆の夕月

あやめ小路の 下駄の音
ここは湯の町 湯のけむり
にぎわう夜道を 私はひとり
守り袋の ナギの葉ポロリ
未練ひきずる 伊豆の夕月

宿の湯船の 片すみで
白い素肌が ふるえます
女のさだめと あきらめましょか
いつか来る春 夢みてポロリ
明日を照らして 伊豆の夕月
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