卒業

あの日から どれだけの時を ここで重ねて来ただろう
着慣れない服を着て 並んでいた 広いこの教室
3月の川沿いを結ぶ 白いアーチ濡らす天気雨
あの日より少し寒いような 旅立ちの朝 賑やかな黒板

迷い立ち止まる時は あなたがくれた言葉を握りしめて

今 消えてゆく この風景を
いつまでも思い出せるように 焼き付けようとしても
瞬きする度に こぼれてしまう
喧嘩の理由が君の優しさだったと 気付けなかった
あの日の涙

分厚いアルバムだけ抱え この部屋を出て行くよ
何一つ置いて行かないのに 何度も取りに帰るものがある

少し先を疾る風のような 君の背中に追いつけないまま

今 消えてゆく この風景を
いつまでも思い出せるように 焼き付けようとしても
瞬きする度に こぼれてしまう
喧嘩の理由が君の優しさだったと 気付けなかった
あの日の涙

いつも隣で ふざけてた君が
俯きながら肩を揺らし「また会おうね」と呟く
卒業が別れじゃない事を知るのは
今よりもっと大人になれた時 その日まで それぞれの道を
歩いて つまずいて 振り返り (振り返り)
きっと きっと (きっと) また会える その日まで
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