はるどなり

深く吸い込んだ 冷えた空気を
あなたに見つけて欲しいと願った

次第に心は形を変える
誰も傷付けない事を望んで

熱を持つ白の呼吸が
幽かに射し込む光が
偽りなく届けば良い

あなたの目が泳ぐ
思わず息が止まる
花弁がひとひら窓辺で踊る
優しく手が触れる
少し唇を噛む
昨日よりも深く呼吸をしていた

互いの気配を持ち寄る程
身動きは取れず寝苦しくなった

乾いた季節に中てられては
またしな垂れ 日は暮れる

擦れた記憶の眺めも
春隣を待つ期待も
今、有りのままの言葉で

あなたの背が垂れる
つられて胸が詰まる
寒い夜はただ寄り添いたい
当てなく歩は進む
あまりに時は過ぎる
些細な毒など覚えていられない

温い体温の隣で
酷い晴天に囚われ
確かな晩翠に見入る

甘い運命は恐ろしい
全てを優しく映してしまうから

あなたの目が泳ぐ
思わず息が止まる
花弁がひとひら窓辺で踊る
優しく手が触れる
少し唇を噛む
昨日よりも深く
誰より近くで
春を舞う姿で呼吸をしていた
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