三枚の写真

16の頃 あなたは18
夏のまぶしさ 覚えてますか
はしゃいだ砂に ふれ合う背中
ゆれる笑顔に ぽつりと聞いた

ねえ 目をそらさずに
目をそらさずに 好きって言える
ねえ 目をそらさずに
目をそらさずに 好きって言える

ふたりならんだ 写真の海が
あゝ指先を ぬらしています

17の頃 あなたは19
手にひんやりと 谷川の秋
目かくしをした あなたの腕に
冷たいねって 涙おとした

ねえ 目をそらさずに
目をそらさずに 好きって言える
ねえ 目をそらさずに
目をそらさずに 好きって言える

ふたりの間の 落葉が今も
あゝ心へと 吹き込んでます

20才(はたち)の私 あなたは22
写真の春に あなたはいない
別れ間際に 振り向いた街
あのまなざしは 焼きついてたのに

ねえ 目をそらしても
目をそらしても いいのよあなた
ねえ 目をそらしても
目をそらしても いいのよあなた

過ぎた月日が 残したものは
あゝ三枚の 写真だけです
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