洗濯してね

仕事に疲れて汚れた服のまま、
いつもの布団にもぐり込む。
休日の太陽なんて見ないまま、
ゆっくりと這い出せば
なんだか綺麗な部屋になっている。
ベランダにTシャツが揺れてる。
そういえば、あなたに渡してたんだね。
小さなアパートの合鍵
そうだね。 きっと君の仕業
“電話してね”のメモを見つけた
これからずっとお願いしたいから洗濯してね。
僕の下着もあなたの服も洗濯してね。
君の背中を抱きしめるから
やさしく、ソフト洗いで。

なんだか今夜は、険悪なムード。
俯いたままのあなた。
“どうしたの”。
“何故なの”。
何も解らないまま、
長い時間が過ぎていた
そうだね。 きっと僕の仕業
“ごめんね”だから機嫌直して。
これからずっと一緒に居たいから洗濯してね。
僕の下着もあなたの香り洗濯してね。
君の背中を抱きしめるから
回るよ、君の笑顔が。

もうこれ以上歩けないと、
あなたはそっと呟いたのに
ダメな僕は振り返れない。
あなた強く抱きしめられない。
だから今は、 だけど今も、
あなたの事が、あなたの事を、
そしていつか、またいつか、
あなたと出会う事があるなら洗濯するよ。
今度は僕があなたの為に洗濯するよ。
僕の背中を抱きしめてくれ洗濯してね。
僕の下着もあなたの香り洗濯してね。
君の背中を抱きしめるから
二人で、一緒に洗濯しよう。
×