いとし仔のワルツ

世界が声を失くした ひとりだけ
息を吸って それを吐いて
呼吸のリズム ひとつだけ

望んだ景色の中にいるのに
眠れないのはどうしてなんだろう

安心すれば恐くなるよ
終わりを追いかけるみたいでしょう
息を吸って それを吐くことも
不安で堪らなくなるよ

孤独という街に埋もれても
眠れないのはどうしてなんだろう

ふわり 夜を越えてさ
知らないことばかり増えた
くだらない感情で満たされて
どうせ 忘れてしまうならさ
こんな想いに夜に痛みに
きっと 全部意味はない

荒げた心の奥底
いつかの誰かを思い出す
訳が分からず誤魔化した
優しさってやつがわからなかった

宙に伸びた塵の光に
苔の生えた心臓が騒いでいる

なんとか朝を凌ぐ度
知りたいことをまた見つけた
誰かに伝えたくなって
ひとりぼっちの意味に気づいた

大丈夫だ もう十分さ
孤独なんて嘘ばかりだ
離れる時が怖くて逃げた
君はそばにいた

僕が音を失くしていた
呼吸のリズム ひとつだけ
苦しいよ 上手くできないよ
ごめんね 会いたいよ

ふわり 夜を越えられたなら
君に触れたいと願っていた
くだらない感情で満たされて
どうせ 忘れてしまうならさ
こんな想いに夜に痛みに 意味はない
それでも 全部生きる意味
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