明日の虹

ぐっと握った 拳(こぶし)の中に
今も生きてる 故里魂(ふるさとごころ)
土の匂いと 辛抱強さ
それが自分の 切り札さ
ひとり都(みやこ)の 雨あがり
明日(あす)に掛けたい おとこの虹を

会って詫びたい 父母(おや)さえいない
北国(きた)は今ごろ 雪降る頃か
地酒一本 あぐらに抱いて
そっと手向(たむ)ける コップ酒
ぐらり背中が 酔うほどに
郷里(くに)へ掛けたい おとこの虹を

五十歳(ごじゅう)・六十歳(ろくじゅう)で 分からぬことが
見えてくるのさ 七十歳(しちじゅう)過ぎて
胸に一輪 まっ赤な花を
抱いていこうぜ 粛々(しゅくしゅく)と
続くこの道 人生の
明日(あす)に掛けたい おとこの虹を
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