女春秋夢しぐれ

空(から)の米櫃(こめびつ) 見向きもせずに
将棋一筋 思案顔(しあんがお)
坂田三吉 甲斐性無しで
たんと たんと有るのは 夢の駒
骨身惜しまず 泣き言云わず
支える小春の 心意気

橋の数(かず)ほど 女に惚れて
川に成るほど 呑んだ酒
落語(はなし)終われば 八方破れ
それが それが亭主の 春団治
浪花人情 人生舞台
苦労はお浜の 隠し芸

恩に着ますと 施(ほどこ)し抱いて
大(だい)の男が 目に涙
今は取的(とりてき) 駒形茂兵衛(こまがたもへえ)
いつか いつか横綱 土俵入り
取手宿場で 出世を祈る
我孫子屋(あびこや)お蔦(つた)に 春の風
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