風花港

指の先まで ひとすじに
愛したことが 邪魔ですか
もたれる背中の あたたかさ
ほかにはなにも 欲しくない
涙ちぎれて 風花が
波に呑まれて 散る港

ただの一度も 振り向かず
あの人乗せた 船が行く
しあわせ探せと 置手紙
断ち切るように なぜ書いた
寒い心の 風花が
汽笛追いかけ 飛ぶ港

恨む言葉を 海峡に
投げても未練 つのるだけ
死ぬまで待つのも おんなだと
沖行く鴎 伝えてよ
白く儚く 風花が
夢をさがして 舞う港
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