隙間

消えた僕のことは
忘れたらいいさ
もう最初の頃に戻れないよな
始まりの歌はいつの間に僕を
愚弄して消え去った
言葉があるなら武器にすればいい
世界は広がった

もう遅いんだろうな
都会の気配がした
言えないと分かっていた未来も変えた

生きられないかなってことを
思えば思うほどに
水溜りに映ったのは
皮肉に似た空
鴉は黙ったままで
僕らただ歩いた

もう遅いんだろうな
都会には馴染めない
指先は覚えていた
あなたの形

息も出来ないくらいに
あなたに恋してた
きりがないくらい抱いたのは
私の隙間
声を枯らして泣けたなら
楽になれるかな
鴉が鳴けば始めるさ
最後の愛を
あなたの隙間に
僕を溶かしたい
×