愛愁の酒

あきらめて 諦めきれるものならば
強い酒など 呑まないわ
指までしみる 胸を灼(や)く
これは悲しい わかれの味ね
あゝ恨みごとも なきごとも 言えない私が
グラスを抱いてる 寒い夜

追いかけりゃ おとな気ないと風が言う
泣けば ばかだと 笑われる
やさしい素振り していても
夜の世界は しょせんは他人
あゝあんな悪い男でも 私にとっては
だれより大事な ひとだった

愛してた あんたと書いて酒で消す
ひとりぼっちの カウンター
しあわせ三月(みつき) 明日から
膝を抱き寝の さみしい夜よ
あゝ傷をなめて意地はって 生きてく私が
信じて待ってる 遅い春
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