ゆうすげ雨情

貴方を見送る 女の朝は
どうして早く 来るのでしょうか…
人目を忍ぶ 二人の恋は
ゆうすげみたいな 一夜(ひとよ)咲き
帰したくない 心を読んで
今朝も遣(や)らずの 雨が降る

二人がこうして こうなることは
前の世からの 宿命(さだめ)でしょうか…
苦しむだけの 恋だとしても
出逢えてよかった 私には
雨がこのまま 続いていても
させちゃいけない 雨やどり

貴方に待たせて あげたいけれど
女の傘は 目立つでしょうか…
尽くしてみても 実らぬ愛は
ゆうすげみたいな 隠れ咲き
濡れて駆け出す 男の影を
追うは未練の 走り雨
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