午後には残って

閉じた窓から風の強さが目に見える
酷く瞬く遠くのタワーを手で覆う
プツリと止まったサウンドオブブラジリア
目を擦っても消えない輪郭は

舞う陽が鏡を触った 引き止める 午後には残って

青を被った夕陽は夜を避けながら
足を止めるなと 氷が溶けてしまう前
横切る猫が運んだ椅子は
あなたを誘って離さなければいい

ゆく人 埃を飛ばして 引き返す 午後には残って
針落とす 気だるい音に 窓開けて小さく思う
午後には残って
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