酒場の噂

今もひとりと聞いたんだよ
泣いていたよと聞いたんだよ
無理な別れを したけれど
惚れていたんだ 本当は
遠くで霧笛が 咽(むせ)ぶたび
酒場の噂が 俺を責める

忘れられずにいたんだろう
俺を探(さが)していたんだろう
むかし馴染みも ママさんも
みんな心配 してくれる
想い出まぶたを 過(よぎ)るたび
酒場の噂が こころ燃やす

待っているわと言ったんだね
夢にみるのと言ったんだね
古いボトルに まだ残る
君の似顔絵 頭(かしら)文字
小窓に微笑み 揺れるたび
酒場の噂が 俺を叱る
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