初恋のワルツ

少し冷えたベンチに肩を並べ座った
ひらり ひらひらり 舞い降りる恋の終わり
夕闇に溶けていくこの街のシルエット
きらり きらきらり 顔を出す星の群れ

脆く壊れやすいものほど美しい
薄いガラスの約束はもう割れたんだ
破片を拾いながら思い出している

あなたに触れて世界が変わった
時間を止めて踊っていたかった
戸惑いとときめきのワルツ

「数で勝負している桜よりも
質素に一つ、一つずつ咲く花が好き」と言って

重たい雪を背負う小さなスイセン見つめながら
あなたは何を思っていたの
握った手は何も教えてくれなかった

強さは時に押さずに引くこと
わかっていても最後に踊りたい
温もりと淋しさのワルツ

二人のダンスが月日をかけて
ただの出来事じゃなく思い出に変わるなら
失うものより得るものはきっと多い

またね。と嘘を優しくついてよ
涙を見せず笑顔でいくから
遠ざかってく足音が消えても
心はずっと奏で続けていく

戸惑いとときめきの
ほろ苦い初恋のワルツ
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