はじまりの季節

朝焼けがアパートの
布の目を抉じ開けて燃える
今日が忍び込んで
赤色の笑い声
それでなんとなく助かった

もう余命だって
何十年とはないから
透明になって窓辺に漂う

それでも闇の終わりに
輪郭があったの
頼りなく揺れる身体に
輪郭があったの
その布の目の向こうに光る街が見えた
酷い嵐の朝にも

照明なんて
ここには当らないから
透明になって窓辺に漂う

それでも闇の終わりに
輪郭があったの
頼りなく揺れる身体に
輪郭があったの
その布の目の向こうに光る街が見えた
酷い嵐の朝にも
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