And The Beauty.

これから唄うこの物語は誰の心に響くのでしょうか。
大切にして欲しいモノがある。
大切にして欲しい日々がそこにある。

注がれた愛は追加、追加、必要以上。
好きな器へと移し替えてご自由にどうぞと。
口をつけるだけ、同じ味に飽きて排水溝へ。
それぐらい何でもなかった。

テーブルの上にはいつも通りに器が並びました。
感想も云わずに席を離れて、背中にぶつかる声を扉で遮断した。

段々と僕は独りで歩いた。
そうじゃなくても、そう思い込んだ。
浮かぶ光を払い除けながら。
舌打ちをして遠ざけながら。

テーブルの上にはいつも通りに器が並びました。
「沢山あるから」と残し始めて座りもしないのはいつからだっただろうか。

誰も悪くない。
誰のせいでもない。
僕は自分に殺されかけていた。
好きだった歌も喉を通らないぐらい僕は僕を嫌い壊れ始める。
すぐ傍にある愛さえ見えないまま。

僕を抱きしめた冷たい冷たいあなたの腕はこの世界で何より美しい。
今はそう思えた。

テーブルの上にはいつも通りに器が並びました。
「これで最後」だと「売り切れです」と
、あの頃のままの疲れた笑顔で。

テーブルの上にはいつも通りに器を並べました。
そこに注がれたあなたの愛を思い出しながら僕も誰かに注ぐよ。
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