Fade out

告げられた別れから
もう随分経ってるのに
夜が来るとまだ思い出してしまうんだ

僕に足りないものを
今更 頭に浮かべたら
君が欲しがった物ばかりだった

気づけば君の面影探して
最終バスに揺られていたんだ
君に会いに行くあの日のように 身体はまだ覚えてても
フェードアウトは速度を上げて
二人の季節 飲み込んでゆく
あぁ、大丈夫になれないままの僕を憎んだ

駅前のバスターミナル
見覚えのないオフィスビル
何度も来たはずの映画館は無かった

大きく変わってゆく
街並みに君が重なった
僕はたった独り立ち止まっていた

気づけば遠くの空が白んで
始発のバスまであと1時間
君と過ごしたすべての日を輝く思い出にするため
フェードアウトに耳を澄ませて
二人の季節 胸に仕舞うんだ
あぁ、君のいないまだ見ぬ方へ進み出さなきゃ

もう、帰ろうか。
届かない手紙を書くように
言えなかったサヨナラ呟けば
少し軽くなった

気づけば僕なりの結末は
ほろ苦い旅に落ちていたんだ
振り向く気持ち抑え込んで 戻らない日 後にしたら
フェードアウトは終わりむかえた
僕はバスをゆっくり降りたんだ
“もう大丈夫”って言える気がした 明けてゆく街
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