片時雨

一人にさせてと 呑む酒は
砂を噛むよな 虚しさよ
どうしてあの人 わたしを捨てた
グラス持つ手の 仕草も癖も
小雨に消えるのよ…

小さな部屋だが ごめんなと
そっとわたしを 抱いた人
男はすぐにも 忘れるけれど
忘れたくない 女は過去を
濡らすな恋灯(こいあか)り…

手酌じゃ酔えない 酔うもんか
誰に拗(す)ねよか 片時雨(かたしぐれ)
こんなに惚れても 惚れられないの
いいえわたしは 待つのが宿命(さだめ)
命のある限り…
×