シャングリラ

シャングリラ……ああ それは
シャングリラ……どこに

インダスの水に浮かぶ
黄金の月を縫って
あの人に よく似た影を
乗せた小舟が来る
この夜に出会うために
私は生まれ さすらい
いくつもの めぐり逢いと
別れを越えて来た

運命(さだめ)の河…誰も一度は この岸に立つ
夢の流れ…惑いという名の
サリーを脱ぎ捨て

シャングリラ この地上の
さがしつづけた 楽園
シャングリラ それはきっと
あなたの胸の中

ひんやりと 花のしとね
火照った背中の大地
目を閉じているのにアア
一面の 星の海

“死ぬことのない愛など
求めるのはおよし”と
哀しみをたたえた目で
クリシュナが見守る

運命(さだめ)の河…渡り終えたら もう戻れない
夢の流れ…いつしか あなたは
消えさり 私だけ

シャングリラ めざめれば
寂しく乾いた荒野
シャングリラ また私は
歩きだす旅人
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