わたしだけのアイリス

どう哀しんだなら
どう笑ってみせたら
正解かわかんなくて
それなら平気な顔して
強く笑っていたかったんだ
憐れに映っても

ぼやけて滲む信号
鈍感なフリした感情
浅葱色の傘 急ぎ足
あてもなく歩いた
まだ眼に映ってる
確かな光 感じていたくて

グリーン レッド ブラウン グレー
ヘーゼル アンバー ブルー
定められたこの世界の彩り
もしも、ふっと失くなってしまうとしたら
君に どうやって綺麗な色を伝えられるの?

鮮やかな色たちが わたしをここに置いていくんだ
狭くて暗い 時間の狭間に
もがくように光を探そうとするほどに
遠ざかるの 届かない場所に
目を閉じてみても 瞼の裏側にずっと
この痛みは 映ってしまうの

どんなに時が経ち
どんなに遠くなっても
この心 震わすのは
君と数えた七色の記憶
ほら こんなに鮮明なのに
教えて わたしはどうなるの?
向き合うのは 怖くて残酷だけど
雨上がりの中 虹が差すみたいに
やがてここにも光は射すの?

鮮やかな色たちが わたしをここに置いていった
追いつくことはできなくても
いつまでもこんな所には居たくはないよ
どうしたらいいの 答えがないのに
まだ奪わないで モノクロの空に重ねた
わたしが思う 美しい色

枯れた花も 綺麗に思えるのは
わたしが見てきたものだから
誰のものでもない わたしの色たちは
ずっと ずっと 心にあるんだ

鮮やかな色たちが 涙で滲んでしまっても
そんなことはもう どうだっていいんだ
昨日までのわたしを彩る全てのものは
決して消えない

言葉にできずにいた想いが色で溢れ出した
遠回りだって 沢山してきたけど
これまでの痛みや喜びと同じように
心を通して 色を残していくんだね
誰にも奪えない 君が教えてくれたんだ
世界で一つの 美しい色
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