はなれてゆく

教えてくれるかな 君は君のことを
長い夜が明けるまで

夏は行ったよ 秋もじき行くだろう
失いながら息づく 不思議

それでも いつかみたいな想いはすぐに
さらわれるように早く はなれ はなれ
はなれてゆく

忙しい朝の 凍える手で「おはよう」
みじかい愛の言葉で

朝靄の中を満たす 君の声
いつものように急ぐ 足を止めて

心を奪われるような 瞬きも
さらわれるように早く はなれ はなれ
はなれてゆく

遠くの方で 君の声が
乾いた風に乗って 今も
僕のところへ 届き続けている
あの時の答えを 聞かせてと

教えてくれるかな 君は君のことを
長い夜が明けるまで

夏を忘れる頃 冬が君を包むだろう
静けさは 君を見つけてくれるだろう

そして いつかみたいな想いを残して
はなれ はなれ
はなれてゆく
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