以津真天

絶島の 産んだ 白露が
珠と 初める 蛹化に 目が眩む

月桂を 浴びた 嬰児の
歌う 故の 多さに 鼻白む

其の 内向きさえ 晒せば 麗句
顋門まで 辿るが 運命

軽軒なれば いざ知らず
徒行く 徒等の 歩み 何時迄
炯眼なれば 其は 永し
暮れゆく 折に 憚りて 参れ

月桃に 遊ぶ 蜜蜂が
騙る 嘘の 叢話に 笑みこだる

絶景に 浮かぶ 灯蛾は
下駄を 履いて 潰れて 顰め面

其の 内向きさえ 晒せば 麗句
顋門まで 辿るが 運命

霊験なれば 然もあらぬ
まやかす 味の 旨み 何時迄
慧眼なれば 其は 流罪
成り行く 任に 謀りて 参れ

嘯きさえ 醸せば 含み
微睡など 破りて 抛れ

軽軒なれば いざ知らず
徒行く 虎の 歩み 何時迄
炯眼なれば 其は 永し
粗末な 檻を 食い裂いて 吼け
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