ロマンの港

霙まじりの 北風吹けば
銀の鱗が 群れ泳ぐ
親潮 黒潮 潮境
ここがあいつの もどり道
網引く顔も 濡れている
華ある泊衆

赤いハマナス なでた風が
夜にゃ漁り火 また揺らす
板子一枚 下地獄
うねって はじけて 散る波を
腕(かいな)一つで 飼い慣らす
ど根性 男衆

海に生まれて 育った奴は
どいつも祭りが 好きになる
港 泊よ 大漁旗よ
浪漫片手に 酒を飲む
曝(さらす)想いの 熱い胸
明日呼ぶ泊衆
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