絶対零度

眼差しと言葉で
問いかける瞬間を いま 風が奪い去る
ため息の重さに 沈みゆく空間のなか
雨は降り出すの

態度で語る小さな夢
抱きしめて 優しく包むように
最後が読める展開だよ
同じこと重ねるだけだわ

アイスコーヒーも冷める
それが絶対零度
あいつ 少しは変わる?
あーあ もったいないよ
分かってる 君は分かってないふりしてる
それに気付いてよ

すれ違う二人は 灰色の海岸を
ただ歩く早足で
ああ 嵐に巻かれて 滲んでく この街で
もう 夏は過ぎゆくの

背後にかすむふたつの影
陽が落ちてしまえば それも消える
さあ 行こうか ここが限界だよ
駆け出して飛び乗る 自転車

回す時のペダル
曲がる進入角度
タイトコーナーが迫る
どこへも行けなくて
動いてるようで止まってる
レコードの針のようで
あのスピードの世界へ

恋はもう 悲しいほど遠くへ
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