シンタイソクテイ

幼少の頃に住んでいた家にあった
柱に刻まれたいくつもの印
僕の身長を覚えておくために
母が嬉しそうに書いてくれた

てっぺんが霞んでる背の高い電波塔
どこまでも昇る果てのないエレベーター
見上げた自分の瞳の奥には
きっと、たしかな未来の僕が映っていたんだ

今となっては僕もそれなりの大人になって
世間の波に飲まれながら 縮こまってる

一年に一回の診断結果には
前年と変わらない体重と身長
誰かと背比べすることも嫌になって
僕なりのペースで今日も歩いてゆくんだ

僕の首を掴んで 悲しそうに笑う悪魔
そいつの本当の正体は、自分だ

くだらない理想の高さに線を引く
それが僕の限界だって思えるのなら
それ以上でもそれ以下でもないから
いつだって、その答えは自分次第なんだ

さあ、行こうか 僕が描く水平線の彼方
辿り着いた場所で待つのは、自分だ

偽りのない高さに線を引く
思うよりもちっぽけな自分に逢えたら
それ以上でもそれ以下でもないから
いつだって、本当の僕は…

くだらない理想の高さに線を引く
それが僕の限界だって他人は言うけど
明日の僕を測るのは誰でもなく
いつだって、その答えは自分次第なんだ
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