想い出サンセッタ

黒く錆ついて軋む公園の
焼けた赤のブランコと同じ
溢(こぼ)れて殺した想い出にしか
成れないとしても

もし此処で終わるのなら
安く売れる理由(わけ)持ち寄って
終える事も出来るでしょう
けれど唄えない誄(るい)の歌

夕暮れ砕いて水鏡
泥で濁ったこの川でも
光飛ばして きらきらり
跳ねた魚のように
見えない海だけを求めて
冷たく暗いこの路でも
止めたくはない止まれない
あと少しだけ泳がせて

小さな硝子の欠片が
血管を巡り巡ると同じ
苦しい事が愛しいのだって
私が私だから

成し遂げても
羨まれても
寂しい自分が何しても
居るなら共に酔いましょう
答えの限りなど忘れて

夕暮れに溶けて秋花火
雲に霞んだこの空でも
光飛ばして きらきらり
翔ける夜だかのように
見えない星だけを探して
冷たく暗いこの路でも
破れかぶれて千切れても
お願い 私を認めて

夕暮れ砕いて水鏡
広がる波紋はただひとつ
ぽつり取り残されても
記憶が傷になるから

夕暮れを抱いて きらきらり
冷たく暗いこの路でも
止まりたくないの どうか
まだ 手を伸ばして

帰る家も遠くに
此処まで来たとして
慰める事だけでは
癒されもしない
掴もうとする程
擦り抜けて行くもの
しがみ付く事が出来たら
きっとそのとき

ゆっくりゆっくり陽は落ちて
眠って行く
貴方の胸の片隅に
残れますように
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