妻へ

年月重ねて 額にも深く
しわが刻まれたふたり
子どもは巣立って 残されたものは
果てなくむなしい想い
もっと年とって 老いさらばえても
話ぐらいできるふたりで
明日がなくなれば思い出の糸を
たぐりよせながら暮らそう

ふたりの髪より白くおおわれた
きのうをたずねて行こう
してきた努力と引きかえに過去の
美しい愛に生きよう
ふたつの心がもし離れたら
ふたりとも後悔するよ
迎える月日の終りにないもの
それは「つづき」ということば

死ぬときが来たら 私は見つめる
いとしいおまえの顔を
まなざしの中に おまえは知るだろう
消えてゆく愛のときを
眼を閉じる前にできることならば
その手を探して言おう
さよならのように せめてもう一度
おまえにいいたい
ありがとう妻よ ジュテーム
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