祭夜絵巻

紅き陽が傾いてゆく頃合いに
風に乗る笛の音に浮き足立つ思い
今宵は祭りの夜、憂き世を忘れて
笑うのもいいじゃないか、泡沫の夢

迷う手を引いて人波を
そぞろ歩いてみればいとおかし
鳴らす下駄の音カランコロン
これもまた小粋かな

参ろうか! 騒いて?こそか?宴の風流
花鳥諷詠愛でよう
いざ参ろうか! 道楽も極めれは?伝統
古今東西無礼講
輪になって!
さぁ、舞い踊れ!

羽目を外して知ることもあるだろう
上手くいかないことも宵闇に置いておいて
今宵の祭り囃子、響いてきたなら
楽しめばいいじゃないか、一時の夢譚

着飾り洒落込む人波の
有りの儘の笑顔がいとゆかし
誰か口ずさむチントンシャン
それもまた雅かな

いさ?参ろうか! 騒いでこそが宴の礼節
月明かりに照らされて
いざ参ろうか! 道楽こそ現世の宝
詩歌管弦に興を尽くせ

花と舞い、鳥と歌い、風を詠み、月を愛でて
星と舞い、虹と歌い、時を詠み、夢を愛で

輪になって! さぁ、舞い踊れ!
さぁ、さぁ、舞い踊れ!

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