離れて暮らす二人のために

ありふれた窓から
いつもの街を眺めて
身支度を整えた

繰り返しもいいと
彼は頼りのない日々に
背中をそっと預けた

ありったけの時間でも
追いつけないこともあるから

離れて暮らす二人のために
電車は急ぐんだ

ありふれた窓から
灯りがもれる夜なら
靴も軽くなれる

商店街を抜け
バス通りを越えて彼女
息を整えている

ありったけの言葉でも
伝わるのは多くないから

いつかの歌を あなたのために
うたってみたいんだ

埃を払い 次の言葉を
繋げてみたいんだ
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