倖・せ・な・女

この物語を始める前に
ある女の話をしなくてはいけない
美人じゃないけど 酔えば色っぽくて
少し移り気な女だった

いろんな男に捨てられたけど
いま煙草のけむりで過去は色づく
純情なのよとグラス傾ける
肩が淋しげな女だった

この物語はここから始まる
その女と寝たときから
惚れたときから始まる

(セリフ)いつだって私は倖せだったよ、
みんな本気で私を愛してくれたもの……
いつだって私は倖せだったよ、
みんな本気で私を愛してくれたもの……

女の涙はバラの花びら
夢の跡をかざって はらりとこぼれる
人生だからと 熱く目を閉じて
俺の指先をそっと噛んだ

この物語はここから始まる
笑ってくれ 心乱れ
とまどいながら始まる

(セリフ)いつだって私は倖せだったよ、
みんな本気で私を愛してくれたもの……
いつだって私は倖せだったよ、
みんな本気で私を愛してくれたもの……

この物語はここから始まる
その女と寝たときから
惚れたときから始まる
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